こっちを読んでる場合じゃない
明日返却日の
環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks)
- 作者: 武田邦彦
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/09/12
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: コリン・ヒギンズ,枝川公一
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 1972
- メディア: ?
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こっちを読了。今日借りたばっかなのに!にしはこんな役やるんだなあ。
モードはちっちゃくておちゃめ(すぎ)な80歳、って感じだったけど浅丘ルリ子さんはどう演じるんだろう。
最近よくある「年の差カップル」とか、ちょっと前にあった「死にたがる人びと」とかじゃなくてもっと普通に、「人としてのあり方」とかそういうことを言いたい小説なんじゃないかなって思った。
「いいこと?小さいものもあれば、大きいのもある。左へ傾いているのもあれば、右へ傾いているものもある。花びらのないのだってあるのよ。――眼で観察できるだけでもいろいろな違いがあるし、生化学的なことまでわかったら、どんなにたくさんの違いがあるかしれないわ。ね、ハロルド、日本人みたいなのよ。最初はみんな同じように見えるでしょ。でも彼らと親しくすると、大ぜいの中に、似た人は一人もいないことが分かるわ。ちょうどこのヒナギクみたい。一人一人が違っていて、過去に存在したこともなければ、これからの未来にも決してうまれてこない」
「でも、この世の悲しみの多くは、自分たちがこれだとわかっているのに……」――彼女はヒナギクをかざした――「……あのように扱われるままになっている人たちに原因があると、私は思うの」
彼女は眼をしばたいて、あふれ出る涙をふり払うと、午後の日ざしに静かに揺れている、無数のヒナギクの群れを見渡した。
「あら、ただの機械じゃないの、ハロルド。馬やラクダのように生きているのではないのよ。私たちは機械の時代に生きているけど、機械を生き物と同等には扱えないわ。もっとも」彼女はラジオのスイッチを入れながらつけ加えた。「機械はたしかに便利にはちがいないけど」
この部分が載っていた連続した4ページで、わたしがこの小説を読んだ価値はあったと思う。